【ソウル23日共同=井上智太郎】韓国国防省は二十三日、二〇〇八年版の国防白書を発刊、北朝鮮が射程三千キロ以上の新型中距離弾道ミサイル(IRBM)を最近、実戦配備したと明記した。一九九八年に北朝鮮が発射したテポドン1号(射程千五百キロ以上)をはるかにしのぎ米領グアムも射程内に収め、日本など周辺国の安全保障に重大な脅威となる。
また日韓が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)については〇六年版の韓国の「管轄海峡」から韓国の「領土」と表現を変え「確固として守護するための万端の準備態勢を整えている」とした。
新型ミサイルは北朝鮮が〇七年四月の軍事パレードで公開していたもので、韓国政府が公式に実戦配備を確認したのは初めて。白書によると、一九九〇年代末から開発に着手したとみられる。
同省は「ロシアで使われていた装備の一つ」としており、旧ソ連製ミサイルを基に北朝鮮が開発、米当局者の間で「ムスダン」と呼ばれているIRBMの可能性もある。発射実験は確認されておらず、配備数は不明。
白書は、北朝鮮が発射準備の動きを見せているテポドン2号については、射程六千七百キロ以上とした。
白書は北朝鮮が三回にわたる再処理を通じて核兵器の原料となるプルトニウムを「約四十キロ確保した」と推定。しかし北朝鮮が核保有国との立場を主張していることから「不必要な論争を招きかねない」とし、核兵器数には言及しなかった。
白書は隔年発刊で、