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2009年02月23日(月) 16時11分

「おくりびと」に外国語賞 米アカデミー賞中国新聞

 【ロサンゼルス22日共同=山下修】映画界最大の祭典、第八十一回米アカデミー賞の発表・授賞式が二十二日(日本時間二十三日)、ロサンゼルスで開かれ、滝田洋二郎たきた・ようじろう監督の「おくりびと」が外国語映画賞に輝いた。

 短編アニメ賞に加藤久仁生かとう・くにお監督の「つみきのいえ」が日本作品で初めて選ばれた。日本映画の二冠獲得は一九五五年に「地獄門」が名誉賞(外国語映画賞)と衣装賞を受賞して以来、五十四年ぶり二度目。

 外国語映画部門受賞は一九五六年の稲垣浩いながき・ひろし監督「宮本武蔵」以来四度目で、日本人監督作品では七六年の黒沢明くろさわ・あきら監督の旧ソ連作品「デルス・ウザーラ」以来となる。

 滝田監督は授賞式で「この映画で助けてくれた皆さんに感謝します」とあいさつした。加藤監督は「とても大きな賞を受け取ることができうれしく思っています」と談話を発表した。

 作品賞は「スラムドッグ$ミリオネア」で、同作品のダニー・ボイルさんが監督賞にも選ばれた。主演男優賞はショーン・ペンさん、同女優賞はケイト・ウィンスレットさん、助演男優賞は「ダークナイト」の故ヒース・レジャーさん、同女優賞はペネロペ・クルスさんだった。

 「おくりびと」は山形県を舞台に、遺体をひつぎに納める「納棺師」の姿を描いた感動作。ヒューマニズムにあふれ、生と死の尊厳を際立たせた演出が評価されての受賞となった。

 「おくりびと」は、日本では昨年九月に公開し、興行収入が三十億円を超える大ヒット中。本木雅弘もとき・まさひろさん主演で広末涼子ひろすえ・りょうこさん、山崎努やまざき・つとむさんらも出演した。カナダ・モントリオール世界映画祭で最高賞に輝いたほか、国内映画賞を多数獲得するなど高く評価された。

 滝田監督は一九五五年富山県生まれ。「病院へ行こう」「壬生義士伝」などコメディーから時代劇まで幅広い作品を手掛けるヒットメーカー。

 「つみきのいえ」は約十二分間の作品で、海面の上昇に伴い上方へ建て増しした家を舞台にした、独り暮らしの老人の物語。地球温暖化への警鐘を織り込んだ。加藤監督は一九七七年鹿児島県生まれ。主な作品に「或る旅人の日記」がある。

【写真説明】22日、米アカデミー賞の外国語映画賞を受賞した「おくりびと」の(左から)滝田洋二郎監督と本木雅弘さん、余貴美子さん、広末涼子さん=ロサンゼルス(AP=共同)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902230180.html