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2009年02月23日(月) 13時12分

「おくりびと」が米アカデミー賞の外国語映画賞読売新聞

米アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した「おくりびと」の(左から)滝田洋二郎監督、本木雅弘さん、余貴美子さん、広末涼子さん=AP
「おくりびと」の1シーン=(C)2008映画「おくりびと」製作委員会

 【ロサンゼルス=近藤孝】映画界最大の祭典、第81回アカデミー賞の発表・授賞式が22日午後5時30分(日本時間23日午前10時30分)から、ロサンゼルス・ハリウッドのコダックシアターで始まり、外国語映画部門で滝田洋二郎監督(53)の「おくりびと」、短編アニメーション部門で加藤久仁生(くにお)監督(31)の「つみきのいえ」がそれぞれ受賞する快挙となった。

 日本映画が外国語映画賞を受賞したのは、特別名誉賞と呼ばれていた1955年の「宮本武蔵」(稲垣浩監督)以来54年ぶりで、独立した部門となってからは初めて。また長編アニメ部門は2003年に宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」が獲得しているが、短編部門では初の栄冠に輝いた。

 「おくりびと」の授賞の舞台には、滝田監督と主演の本木雅弘さんらが登壇。滝田監督は満面の笑みを浮かべ、「私がここまでこられたのも映画のおかげです。また新たな旅立ちが始まります。再び戻ってくることを期待しています」と英語であいさつ。「つみきのいえ」の加藤監督はオスカー像を受け取ると、英語で「重いですね。サンキュー・ベリーマッチ」と喜びを語った。

 「おくりびと」は、遺体を棺に納める納棺師が、人間の生死をみつめる姿を、ユーモアをまじえて描いた作品。納棺師を演じる本木さんが10年以上前から映画化を目指していた企画で、自ら、本物の納棺師のもとで納棺の技術の指導を受け、遺体の顔をふいたり、着衣を着替えさせたりする動きを演じた。

 この作品は日本で昨年9月に公開され、報知映画賞、日本アカデミー賞など国内の映画賞を総なめにし、第32回モントリオール世界映画祭ではグランプリを受賞している。

 加藤監督は多摩美大在学中から、アニメーションの自主制作を手がけ、同大卒業後、映像制作会社「ロボット」に入社。アニメーション作家を集めた工房に所属し、2003年の「或る旅人の日記」などで、多数のアニメーション映画賞を受賞した。

 「つみきのいえ」は、海面が上昇するため、積み木のように建て増しし続ける家に住む老人が主人公の作品。12分の短編だが、手描きの繊細なタッチを生かし、制作には約7か月を費やした。

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20090223-OYT1T00561.htm