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2009年02月23日(月) 05時44分

陛下の負担軽減に協力 皇太子さま49歳中国新聞

 皇太子さまは二十三日、四十九歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち宮内記者会との会見に応じ、宮内庁が進める天皇、皇后両陛下の負担軽減策について「天皇としてするべきことを心から大切にお考えになっている気持ちに沿って、私も含めて周囲がよく考える必要もある」と指摘した。

 その上で「私としてお助けできることは何であれ、お手伝いさせていただきたい」と述べ、負担軽減に協力する姿勢を示した。

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 皇太子さまの誕生日に先立つ記者会見の要旨は次の通り。

 —天皇陛下は昨年、胃腸炎などを患われ、宮内庁長官は陛下の心労、心痛の原因として「皇統の問題」などを挙げました。また長官は皇太子さまが以前言及された「新しい公務」について「今も提案をお待ちしている」としています。お考えをお聞かせください。

 皇太子さま 陛下の心労が削減されますよう心から願っていますし、そのために私どもとしてできることはしていきたいと思います。これまで両陛下の活動の一つ一つから多くを学んでまいりました。「新しい公務」は今までの公務を否定する考えでは全くなく、時代の流れに沿って公務のニーズにもおのずと新しい考えが生まれてくるので、それらの新しい公務のことを指摘したものです。私が現在行っていることで一例を挙げれば、国際社会の大きな課題となっている水にかかわる問題への取り組みがあります。水問題の解決は貧困を改善し、地域での紛争を解消するという世界の平和へとつながるものと思っています。

 —雅子さまの療養は六年目となりました。現在の状況についてのお気持ち、公務復帰の見通しは。

 皇太子さま 雅子は体調に波がある中、これまでできなかった公務もできるようになって、私も雅子もうれしく思っています。本人が公務、祭祀のいずれも重要性を認識し、体調が許す限り頑張りたいと考えて努力している結果であると思います。しかし、体調が良いと頑張りすぎる傾向があるため、お医者さまからは無理をして逆行することのないよう慎重を期す必要があること、育児や東宮職内部の仕事とともにライフワークにつながる活動を大切にしていくことが望ましく、公務とのバランスをよく考えていく必要があるとの意見をうかがっています。公務復帰の見通しは、現状では焦ることなく、その時々の体調を勘案しお医者さまに相談しながら個別に検討していくことになると思いますし、私自身これからも雅子の回復の過程を支えていきたいと思っています。

 —愛子さまの様子をお聞かせください。

 皇太子さま 学校生活を楽しんでおり、心身ともに成長していることが感じられます。体育の授業で教わった縄跳びは帰ってからも楽しみの一つになっていて、ほとんど毎日練習しているようです。時々、私も一緒に練習しますが、最近では二重跳びもできるようになったとうれしそうに報告に来ました。秋篠宮家とは住まいが近くなったので、三人で歩いて遊びに行ったりします。御用地内で弟を見つけ「おひげのおじちゃま」と報告してきたこともありました。先ごろ愛子もかわいがっていた犬の「まり」が息を引き取りました。最初はとても悲しみましたが、割合と早く気持ちの切り替えができたようで、身近な動物との別れを乗り越えることも成長の過程で大切な経験の一つと思っています。

 —即位二十年を迎えた両陛下の歩みについての感想を。負担軽減、今後の公務の在り方をどう考えていますか。

 皇太子さま 両陛下のこれまでの歩みは常に尊敬申し上げており、両陛下の活動から多くを学んでまいりました。両陛下が皇太子時代に始め、私が引き継がせていただいているものもあります。両陛下の公務の在り方は、見直しを図る具体的処置が発表されたばかりなので、それに沿って負担の軽減が進むことを願っています。今後の公務も過度の負担がかからないようにとの考慮が重要と思いますが、天皇としてするべきことを心から大切に考えている陛下のお気持ちに沿って、私を含めて周囲がよく考える必要もあると思います。その上で、私としてお助けできることは何であれ、お手伝いさせていただきたいと思っています。

 —ご自身は「皇位継承の問題」をどうお考えですか。(関連質問)

 皇太子さま この問題については、私は発言を控えるべきであると思っております。

 —国連大学のセミナー参加などを雅子さまの公務復帰の足掛かりにしたいという考えもありますか。(関連質問)

 皇太子さま 私の場合は水問題などをライフワークにしていこうと思っていますが、ライフワークが一つあると、ほかの公務をやる場合でも大変励みになると思います。雅子の場合も、そういうものを見つけられることが、病気回復にとっても良い方向につながるのではと感じています。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902230018.html