広島市で開かれている日教組の教育研究全国集会の特別分科会で22日、全国学力テストの結果公表問題や、格差社会における教育など、今日的な課題をテーマにしたシンポジウムがあった。
「教育格差と学力保障」と題した特別分科会には約240人が参加。全国テストの問題について、都留文科大文学部の福田誠治教授と関西大文学部の内田慶市教授が対談した。
福田教授は、英国で全国テストの結果公表や学校選択制を取り入れた結果、競争激化で子どもの成績が伸び悩んだ事例を報告。「競争主義よりも、学ぶ意欲や疑問を持つ力を大切にするべきだ」と主張した。
内田教授は反復学習による基礎学力の必要性は認めた上で「それ以上に考える力が必要。だが、教育現場で子どもの答えを『待つ』ことができなくなっている」とテストの得点向上のみを急ぐ、教育のあり方に警鐘を鳴らした。教育研究全国集会は23日まである。
【写真説明】全国学力テストの結果公表の問題点について対談する福田教授(左)と内田教授