三次市布野町で大正時代から昭和30年代にかけて栽培されてきた伝統野菜「近江菜」が、住民の手で復活した。漬物作りが本格化。早ければ3月にも販売が始まる見通しだ。
近江菜はアブラナ科の根菜。9月中旬に種をまき12月にかけて収穫する。広島菜や野沢菜に近いがアクが強く、古漬けに適している。最後の栽培から40年以上たち、栽培技術の継承者は町内にいなかった。
休耕田の有効活用と特産品開発を目指し、住民有志が2006年から研究。昨年は3軒で計20アールに作付けした。1月には昨年12月の収穫分を浅漬けに試作し、三次市内で販売した。
布野町横谷の加工施設では、古漬けの販売に向け地元女性会員による漬け込みが続く。たるごとに期間を変えて最長で9月まで漬け込む。
【写真説明】コンブやトウガラシと一緒に漬け込んだ近江菜