自民党の井脇ノブ子衆院議員(比例近畿)が理事長を務める財団法人が、同じく理事長を務める学校法人に対する約3億4000万円の債務を簿外で処理する不明朗な会計処理をしていたことが23日、分かった。井脇氏が同日、大阪府庁で記者会見して明らかにした。
財団の損失を簿外処理する一方で、学校が貸付金として資産計上する形を取っていた。井脇氏は簿外処理の指示を認めた上で「隠す意図はなかった」と釈明。問題解決後に財団と学校の理事長を辞める意向を表明したが、議員辞職は否定した。
財団を所管する厚生労働省育成環境課は「事実関係を確認して、虚偽記載なら訂正報告を促すか、是正勧告に乗り出す」としている。
財団法人は「少年の船協会」(東京都豊島区)で、登記簿によると二階俊博経済産業相が理事を務めている。学校法人は静岡県菊川市の国際開洋第一高校と、和歌山県日高川町の同第二高校を経営する「国際開洋学園」(菊川市)。
井脇氏によると、協会は1988年、研修船として使用するために青函連絡船を購入。その際、学園から約3億6000万円、金融機関から約8億円の融資を受けた。学園からの融資は、船運航特別会計として簿外処理したという。