業績予想が大幅に下方修正されることを知り、公表前に海外口座を使って自社株を売却したとして、証券取引等監視委員会が証券取引法(現金融商品取引法)違反のインサイダー取引の疑いで東証2部上場の投資事業会社「ジェイ・ブリッジ」(東京)の元役員から事情聴取していたことが23日、分かった。
元役員はシンガポールに開設された口座を使って取引していたため、監視委は同国の監視当局であるシンガポール通貨監督庁(MAS)に取引状況などの情報照会を依頼。連携しながら調査を進めている。
関係者によると、元役員はジェイ社の2006年3月期の業績予想について、経常利益が88億円から28億円に下方修正されることを知り、下方修正公表直前の同年5月上旬にシンガポールの取引口座を使って自社株を売却した疑い。
下方修正が公表されると、株価は2日連続でストップ安となり、900円台から600円台後半に下落。元役員は売り抜けたことで、数千万円の損失を回避したという。