東京消防庁が昨年12月の6日間に救急搬送した患者延べ9414人の8・3%に当たる779人が、医療機関から3回以上受け入れを拒否されていたことが23日、総務省消防庁の調査で分かった。同日午前、受け入れ拒否問題を議論する検討会の作業部会に報告された。
2007年に奈良県の妊婦が医療機関をたらい回しにされ死産したケースと同様、10回以上の拒否もこのうち60人おり、3人は23回以上にわたり断られていた。
拒否理由は「手術・患者対応中」や「ベッドが満床」が目立つ。地方に比べ医療体制が充実しているといわれる東京で拒否問題の深刻な実態があらためて浮かび上がった。全国的にも受け入れ態勢の拡充が求められそうだ。
調査では緊急性が高い(1)重症以上(2)妊婦(3)15歳未満の子ども−などの患者も個別に検証した。この結果、現場から医療機関までおおむね30分以上かかる3回以上の拒否は、重症以上で6・9%(51人)、子どもでも3・5%(24人)あったが、いずれも全体の平均は下回った。
これに対し妊婦は「搬送数が少なく、一概に比率が高いかどうかは判断できない」(消防庁)とされるものの、16・7%(5人)と高い。