茨城県の霞ケ浦と那珂川や利根川を地下トンネルで結ぶ霞ケ浦導水事業をめぐり、茨城、栃木両県の流域漁協など5団体は23日、取水口の建設が周辺水域の生態系を破壊し漁業権を侵害するとして、国に工事の中止を求める訴訟を来月3日に起こすと発表した。
漁協側は、取水口が設置されれば天然のアユの稚魚が吸い込まれたり、水質の変化でシジミの漁獲量が減ったりするなど漁業に悪影響が出ると主張している。
漁協側は昨年3月に工事の差し止めを求める仮処分申請を水戸地裁に申し立てていたが、「仮処分が出たとしても根本的な解決にならないため、本訴が必要と判断した」と説明している。