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2009年02月23日(月) 09時13分

贈賄容疑の社長「告訴する」と市長に迫る 西尾・汚職事件東京新聞

 愛知県西尾市の土地利用をめぐる汚職事件で、贈賄容疑で逮捕された人材派遣会社「大成閣」社長村田英紀容疑者(67)が昨年、同市長中村晃毅容疑者(71)=受託収賄容疑で逮捕=に資金提供した事実などを記した書面を作り、中村容疑者に「約束を果たせないなら金を返してほしい。返さないなら刑事告訴する」と持ちかけ、社有地に外国人研修センターを建設する許可などの便宜を図るよう迫っていたことが分かった。

 名古屋地検特捜部もこうした経緯を把握。両容疑者がわいろの趣旨を認識していたことを裏付ける証拠とみて調べている。関係者によると、村田、中村両容疑者は贈収賄の容疑を否認している。

 逮捕容疑では、村田容疑者から外国人研修センターの建設などで便宜を図るよう依頼を受けた中村容疑者は、その見返りと知りながら、2006−07年に3回にわたり、計600万円のわいろを受け取ったとされる。

 地元の政界関係者などによると、村田容疑者は04年ごろ、市長選出馬を検討していた中村容疑者に資金面での支援を打診。研修センターの建築や所有地の区域変更に便宜を図ることを条件に、逮捕容疑の600万円や同社の顧問料数百万円など資金を提供した。しかし、中村容疑者が市長に就任して2年が過ぎても、実現に目途が立たず、業を煮やした村田容疑者が告訴の書類を作って中村容疑者に実現を迫ったという。

 結局、中村容疑者は600万円を村田容疑者に返済。最終的に、村田容疑者は捜査当局に対する告訴はしなかった。

 村田容疑者の関係者によると、村田容疑者は「資金は貸しただけで、頼み事の報酬として渡したわけではない」と贈賄容疑を否定している。

(中日新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009022390091307.html