電機メーカーの労働組合でつくる電機連合は23日、傘下の各組合が会社側に今春闘の要求書を提出したことを受け、中核労組を集めて中央闘争委員会の初会合を開いた。各労組は、統一要求である4500円の賃上げに対し景気悪化で会社側が難色を示した交渉状況を報告した。
自動車総連では傘下の三菱自動車が統一闘争から既に離脱。春闘のリード役である電機、自動車労組の足並みが大きく乱れ、賃上げを目指す労組側は早くも劣勢に立たされ、戦略転換を迫られそうだ。
委員会では、中闘メンバー15社のうち、統一闘争からの離脱が同日表面化したパイオニアと沖電気工業の労組を除く13社が交渉状況を説明。2009年3月期に7000億円の連結純損失を見込む日立製作所の労組は、19日の労使初交渉で経営側が「賃金体系を維持すること自体、非常に困難」と事実上の賃下げも辞さない主張をしたと報告した。
ほかにも「賃金体系の維持すら厳しい」(パナソニック)、「(賃上げを求める)組合要求は全く考えられない」(東芝)、「昇給そのものを実施できるような状況にない」(NEC)など、賃上げを要求する組合側を強くけん制する発言が相次いだという。