電通が23日発表した「2008年の日本の広告費」によると、金融危機に伴う景気悪化で主力企業が宣伝コストを抑制したため、総広告費は前年比4・7%減の6兆6926億円と5年ぶりにマイナスとなった。
中でも新聞が12・5%減、雑誌も11・1%減と、1947年の調査開始以来、それぞれ過去最大の減少率を記録。一方でインターネット広告は16・3%増え、全体に占めるシェアも初めて1割を超えるなど成長ぶりを裏付けた。
08年は北京オリンピックなどの大型イベントがあったが、秋以降の急速な企業業績悪化で、全21業種のうち18業種で広告費が減少。特に金融保険、情報通信、自動車関連など主力業種の低迷が響いた。
媒体別でみると、スポット広告が不振のテレビが4・4%減の1兆9092億円。次いで新聞が部数減の影響もあって4年連続の前年割れで、総額は8276億円と、25年前とほぼ同水準まで低下。雑誌も「主婦の友」など有名雑誌の休刊が相次ぎ一段と減少した。ラジオも7・3%減り、4媒体合計のシェアは初めて5割を下回った。折り込み広告やダイレクトメールなども5・8%減った。
一方、ネット広告はパソコンでの検索結果と連動して表示される広告が22・9%増、携帯電話向け広告も1・5倍と大幅に増加。総額は6983億円と、昨年抜いた雑誌との差を広げ、新聞に迫りつつある。