【ソウル23日共同】北朝鮮が射程3000キロ以上の新型中距離弾道ミサイルを実戦配備したことが23日発刊の韓国国防白書で明らかになった。米韓軍当局や日本の防衛省関係者の間では、開発段階とみられる長距離弾道ミサイル、テポドン2号よりも現実的な脅威と受け止められている。
新型ミサイルの発射実験はこれまで確認されておらず、詳しい性能は明らかになっていない。しかし韓国国防省当局者は「撃ってみなくてもシミュレーションにより(性能は)検証可能だ」と語り、実戦配備段階に至ったという事実の重さを指摘する。北朝鮮のミサイル技術や運用能力の向上を意味するからだ。
北朝鮮はテポドン2号を発射した2006年7月5日、短距離のスカッドや中距離のノドンも短時間のうちに連続して発射、周辺国を驚かせた。移動式車両から発射されたとみられ、日本の防衛白書は「より実践的な特徴を有している」と分析している。
韓国国防研究院の白承周・安保戦略研究センター長は「射程3000キロ以上であれば北朝鮮と対峙している在日米軍や日本の主要施設をいつでも狙える」と指摘。朝鮮半島有事の際の増援を妨害、報復する戦略があるとみる。