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2009年02月23日(月) 23時12分

競売中止の是非判断へ 清朝略奪品で仏裁判所東京新聞

 【パリ23日共同】英仏連合軍が19世紀に清朝の離宮、円明園から略奪したブロンズ製のネズミとウサギの頭部像がパリで競売にかけられる問題で、中国の歴史遺産保護団体や弁護士らがパリの地方裁判所に競売の中止を求め23日までに提訴した。同地裁は同日、弁護士らの訴えを聞く口頭弁論を開いた。

 頭部像は昨年6月に死去したフランスの服飾デザイナー、イブ・サンローラン氏が所有。同氏の資産売却の一環として25日午後、競売にかけられる予定で、パリ地裁は早ければ23日中にも結論を出す見通し。

 サンローラン氏のパートナーで競売を主催するピエール・ベルジェ氏が競売中止要求に対し「中国が人権を尊重しチベット人に自由を与えるなら、喜んでブロンズ像をお返しする」と発言したことなどから、競売は一気に政治的な色彩を帯び始めている。

 頭部像は1860年、第2次アヘン戦争に伴う英仏連合軍の北京侵攻の際に略奪されたとされ、中国政府は同国に所有権があるとして競売中止を要求。競売を実施するクリスティーズは「合法的な所有を証明する書類がある」と反論している。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009022301000918.html