【ベルリン22日共同=高橋秀次】欧州連合(EU)の主要国首脳は二十二日、金融危機対策を討議するため二十カ国・地域(G20)首脳が四月にロンドンで開催する第二回金融サミットの準備会合をベルリンで開いた。銀行やヘッジファンドなどに対する国際的な監視強化や保護主義の回避を確認。世界的に経済情勢の悪化が鮮明になっていることを踏まえ、景気刺激や金融安定化で一層の協調を打ち出す見通しだ。
欧州の結束を固め、米国中心の国際金融体制を転換、欧州が主導し中国やインドなど新興国も含めた枠組みへの変革を狙う。
この日の会合にはドイツのメルケル首相、英国のブラウン首相、フランスのサルコジ大統領、バローゾ欧州委員長らや主要国の財務相が出席。
米国発のサブプライム住宅ローン問題が世界経済に大打撃を与えた教訓から、金融市場の異常を察知する「早期警戒システム」の構築や、メルケル首相が提唱している国連の「経済理事会」新設などを討議。格付け会社やヘッジファンドへの規制も強めていく。
米景気対策に盛り込まれた「バイ・アメリカン条項」など輸入品を締め出す動きには反対姿勢を明確にする。
欧州各国が実施している景気対策などについても意見交換した。ブラウン首相らはこれまで「財政出動を継続し、各国が協調する必要がある」と指摘。最近、通貨などが急落している東欧諸国の支援では、国際通貨基金(IMF)と協力する。
好景気時に銀行に対して自己資本の積み増しを義務付けるなどの規制強化や、銀行経営陣の報酬制限も議題となる。