【成都23日共同】国際協力機構(JICA)は23日、中国・四川大地震の被災地で心のケアに当たる人材を育成するためのセミナーを四川省成都市で開催。日本側が阪神大震災の経験に基づいたケアのノウハウを伝え、中国側からは現状報告などがあった。
セミナーには、阪神大震災で被災者のケアを手掛けた、兵庫県こころのケアセンターの加藤寛副センター長や震災を体験した兵庫県の小学校教員らが出席。中国側は被災地で活動する心理学の専門家や小中学校の教員ら100人以上が出席した。
加藤副センター長は阪神大震災で心的外傷後ストレス障害(PTSD)になった被災者の例を紹介しながら「被災者の約1割がPTSDの恐れがある」と指摘。四川大地震は被災者数が多いので、心のケアが重要な課題だと強調した。
被災地の小学校の教員は「地震後に生徒の集中力がなくなったり、地震の恐怖が残ったりする問題が起きたが、対応できる専門家が少ない」と現場での悩みを訴えた。