民主党の小沢一郎代表は二十二日、麻生太郎首相に対する参院での問責決議案提出に関連し「問責に値する首相だとは思う。国民の信頼を完全に失っていることは明らかだ」と述べ、総辞職すべきだとの認識を示した。麻生首相は同日「自民党以外に景気対策はできない。民主党に政権を任せることはできない」と反論した。民主党は二〇〇九年度予算案と関連法案の年度内成立を容認し、首相に衆院の早期解散を求める方針。予算が成立すれば、自民党内でも「麻生降ろし」が加速しかねない情勢だ。
小沢氏は問責決議案に関し、千葉県君津市で記者団に「国会運営は幹事長、国対委員長らに任せている」と述べ、野党間の調整や国会の状況を見極めて最終判断する考えを示した。
一方、麻生首相は二十二日、青森市で講演し、定額給付金の財源を確保する〇八年度第二次補正予算関連法案に関し「民主党のおかげでいまだに(参院を)通っていない」と指摘した。
首相は二十三日から訪米、二十四日(日本時間二十五日未明)にオバマ大統領との初会談に臨み、二十五日夜帰国する。
与党は二十六日に衆院予算委員会で予算案を採決、遅くとも二十七日には衆院本会議で可決し、参院に送付する。予算案は参院が議決しなくても送付後三十日で自然成立するため、三月下旬までには成立する。
民主党の山岡賢次国対委員長は二十二日、水戸市での記者会見などで、二十七日までの予算案採決を容認する考えを表明。関連法案も衆院が再議決できる送付六十日後までの審議引き延ばしをせず、年度内に成立させると明言した。
一方、〇八年度二次補正関連法案は三月第一週に参院で採決され、衆院で再議決により成立する見通し。小泉純一郎元首相は再議決の衆院本会議に欠席する考えを表明しており、自民党執行部は処分も辞さない構えだが、党内には「処分すれば思いがけない行動に出る可能性がある」(山崎拓前副総裁)との慎重論もある。