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2009年02月23日(月) 15時16分

沢村栄治投手らのサイン帳、福島の加藤さん寄贈先探す読売新聞

沢村栄治投手ら、東京巨人軍の選手らの名前が記されたサイン帳を手にする加藤さん夫妻

 プロ野球草創期に活躍した沢村栄治投手ら往年の名選手が毛筆で寄せ書きしたサイン帳を多くの人に見てもらいたいと、所有する福島市霞町の元建設会社社長加藤国雄さん(77)、慶子さん(73)夫妻が寄贈先を探している。

 サイン帳には、1935年(昭和10)9月、山形県鶴岡市で行われた紅白試合の出場選手を中心に、延べ74人の筆跡が残されている。

 プロ野球は34年、大日本東京野球倶楽部(現読売巨人軍)がチームとして初めて誕生したが、東北地方では開催地探しが難航。そんな時、手を挙げたのが鶴岡の人たちで、有志が旧制中学のグラウンドの使用許可を取り付けた。この際、慶子さんの父で、当時の読売新聞鶴岡通信部記者だった諏訪寛一郎さん(1991年死去)も試合開催に奔走したという。

 試合は無事行われ、遠征記念のサイン帳が残された。長さ2メートルに及ぶ和紙には、沢村やスタルヒンら31人が署名。裏面には、諏訪さんが地方紙に移った後、65年に福島県で行われた巨人—東映のオープン戦で書いてもらった川上哲治さんら43人の名も加えられた。

 諏訪さんから加藤さん夫妻に引き継がれたが、このまま埋没させてはいけないという気持ちから、寄贈することにした。加藤さんは「少年時代のあこがれの選手ばかりで、見ていると心が躍る。多くの人に見てもらえるような場所に飾ってもらえれば」と話している。

 問い合わせは、加藤さん(024・534・4442)へ。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090223-OYT1T00640.htm