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2009年02月23日(月) 23時19分

人事官、初の不同意…2人体制?人選難航の見通し読売新聞

 政府が国会に提示した8機関16人の同意人事案件のうち、人事院人事官候補の千野境子・産経新聞特別記者ら3機関7人の人事案が23日、白紙となった。

 7人は衆院で同意を得たが、23日の参院本会議では民主、共産、社民各党と民主党と統一会派を組む国民新党の反対で否決、不同意となり、両院の同意が得られなかった。人事官の人事案不同意は初めて。政府は、新たな人事官候補は報道機関以外から選ぶ方針だが、総裁を含めて3人いる人事官が、異例の2人体制となる可能性もある。

 人事官のうち1人は1953年以降、報道機関出身者が就任してきた。4月1日に任期満了となる小沢治文人事官も元日本経済新聞社常務だ。残る2人は官僚OB、大学関係者、民間企業などから選ばれており、現在の谷公士総裁は元郵政事務次官、原恒雄人事官は元JR東海副社長だ。

 小沢氏の後任選考にあたり、政府は民主党の意向を考慮し、人事官では初となる女性を候補に選んだ。17日には、衆参両院議院運営委員会で所信聴取も行ったが、民主党は「人事官の1人が報道機関出身者の指定ポストになっているのは問題だ」として反対した。

 漆間巌官房副長官は23日の記者会見で人事官への報道機関出身者起用について、「見識を政府の仕事に生かすためにやっている」と説明した上で、「報道関係者が必ず否決されるなら、それ以外の方を選ばざるを得ない。所信聴取をしながら、こういう結論を出すのはいかがなものか。どういう人選をしたらいいのか分からない」と述べ、人選は難航するとの見通しを示した。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090223-OYT1T01071.htm