【カイロ=加藤賢治】エジプトの首都カイロ中心部の観光名所「ハン・ハリーリ市場」近くで22日夜、爆弾テロがあり、国営テレビによると、フランス人観光客1人が死亡、フランス人13人を含む23人が負傷した。
土産物屋が集中する同市場は、日本人を含む外国人観光客でにぎわう観光地で、外国人を狙ったテロの可能性が高い。在カイロ日本大使館によると、日本人が負傷したとの情報はない。
爆発は、市場に隣接するフセイン広場で起きた。現場から約100メートル離れた飲食店の男性店員(45)は本紙に、「ビルが倒壊したかと思うほどの衝撃だった。観光客らは悲鳴を上げて逃げ惑っていた」と話した。
国営テレビによると、治安当局は、爆弾はベンチ下に仕掛けられていたと見ている。同広場に面したホテル屋上から爆弾が投げ込まれたとの目撃情報もある。事件後、現場からは不発弾1発も見つかった。犯行声明などは出ていない。
同市場では、2005年4月にも米、仏人ら4人が死亡した爆弾テロが発生。エジプトでは、06年4月に同国東部シナイ半島の保養地ダハブでの連続爆弾テロ(23人死亡)以降、大規模テロは起きていないが、今回の事件は、親米穏健派のムバラク政権を敵視する勢力による犯行の可能性もある。