【ワシントン=黒瀬悦成】22日付の米ワシントン・ポスト紙は、キューバ・グアンタナモ米海軍基地内のテロ容疑者収容施設に収容されていたイスラム過激派構成員が昨年3月、イラクで自爆テロを行っていたと報じた。
同紙は、収容施設での過酷な処遇が自爆テロの動機となった可能性を指摘している。
同紙によると、自爆テロを行ったのは、アフガニスタンの旧支配勢力タリバンの構成員として2001年12月にパキスタンで拘束された、クウェート出身のアブダラ・サレ・アジミ容疑者。同容疑者はイラク北部モスル郊外の軍施設にトラック爆弾で突入し、イラク兵13人を殺害した。
同紙によれば米政府当局は、アジミ容疑者を「再びテロ行為に関与しそうな危険人物」とは認定せず、05年にクウェートへ送還していた。
グアンタナモで同容疑者の弁護を担当した米国人弁護士は、独房に拘禁されたり私物を没収されるなどの仕打ちを受けた結果、「敵意に満ちた人物に変容した」と主張している。