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2009年02月23日(月) 00時00分

「児童文学のノーベル賞」受賞荒井良二さんが作品展読売新聞

「絵本通じ子供と対話」
荒井良二さん

 「児童文学のノーベル賞」と呼ばれるスウェーデンの文学賞を日本人で初めて受賞した絵本作家、荒井良二さん(52)(杉並区)の作品展が、世田谷文学館(世田谷区南烏山1)で開かれている(月曜休館)。小学生と一緒に作品をつくる企画も予定。荒井さんは「子供たちとのコミュニケーションを深めたい」と期待している。

 荒井さんは山形県出身。雑誌のイラストなどの仕事を手がけた後、1990年から絵本作りを始め、ストーリーの展開が速く、明確な終わりがない作風に特徴がある。数々の賞を受賞しており、スウェーデン政府が「長くつ下のピッピ」などで知られる児童文学作家アストリッド・リンドグレーン(1907—2002年)を記念して創設した文学賞を、05年に受賞した。

 今回の展示のため、屏風(びょうぶ)に描いた新作をはじめ、大きな絵本の中から飛び出した「えほんのこども」が世界中に散らばって話を始める「えほんのこども」などの絵本原画32点、雑誌に掲載されたカット約30点など計約100点が展示されている。

 荒井さんは「私の作品を見た子供から『下書きの線は消したほうがいいよ』と言われた。下書きじゃなかったんだけど」と笑う。今回の展示会についても「『自分のほうがうまいかも』と子供たちが思って見てくれると、うれしい」と話している。

 3月22日午後2時からは、小学生30人を対象に「荒井サンとワークショップ」を企画。参加料500円と事前の申し込みが必要。3月8日(必着)までに往復はがきにイベント名、参加希望者の氏名(2名まで可)と学年、代表者の住所、電話番号を明記し、世田谷文学館「荒井良二展」担当まで。展示会は月曜を除き、3月29日まで。問い合わせは同文学館(電)5374・9111。(奥村登)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20090223-OYT8T00102.htm