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2009年02月23日(月) 00時00分

5200人歓喜の歌読売新聞

国技館「第九」
「第九」を熱唱する合唱団(両国国技館で)=伊藤史彦撮影

 墨田区の両国国技館で22日、25回目の「国技館5000人の第九コンサート」が開かれた。今年のテーマは「共生 人と自然が共に生きる」。4歳から93歳まで、40都道府県と海外8か国から集まった計5179人が、ドイツ人指揮者ケルスティン・ベーンケさん(39)のタクトにあわせ、ベートーベンの交響曲「第九」を熱唱した。

 「オオ、フロインデ!(おお、友よ!)——」。最終楽章の中盤、バリトンソロが歌い始めると、館内の照明が一斉に点灯され、5000人を超す大合唱団が姿を現した。

 「フロイデ シェーネル ゲッテルフンケン(歓喜、美しき神々の火花)——」。ソロに呼応して、5000人の合唱団が歌いだすと、国技館全体が揺れるような、大迫力の音量がわき上がり、熱気は最高潮に達した。

 参加者それぞれに「歓喜の歌」に込める思いがある。

 「父は国技館で第九を歌うことを楽しみにしていました」。大田区から参加したクリスティーナ・智子・テッシュナーさん(29)は、昨年7月に68歳で死去した父親のカール・アントン・テッシュナーさんを追悼するため、初参加。

 「様々な人たちが、いろんな気持ちを持ち寄り、歌を完成させたのはすごい。この歌のように、世界中のいろんな民族が一つのハーモニーを奏でられれば、平和な世界が可能になると思う」と話した。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20090223-OYT8T00104.htm