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2009年02月23日(月) 00時00分

米共和党、ISPなどにデータ保持を義務付ける法案を提出読売新聞

 共和党議員らは米国時間2月19日、インターネットサービスプロバイダー(ISP)などにデータ保持を義務付ける法案を提出した。この法案は、警察の捜査を支援する目的で、すべてのISPとWi-Fiアクセスポイントの運営者に対し、ユーザーに関する記録を最低2年間保持することを義務付けるもので、ホテル、喫茶店、ホームユーザーも対象となる。

 この法案は、2006年に民主党議員が提出した法案と同じ内容で、広範なインターネットアクセスプロバイダーにかつてないデータ保持義務を課すものだが、企業やプライバシー擁護派からの反発は必至だ。

 John Cornyn上院議員(テキサス州選出、共和党)は19日に開かれた記者会見で、「インターネットは、われわれの通信やビジネスに多くの好ましい変化をもたらした。しかし、その無限の性質は匿名での活動を可能にしている。無垢な子供たちを狙っている犯罪者らはその匿名性を悪用している」とし、「われわれの子供たちを守るためには、地域、州、連邦、さらには家庭レベルの協力が必要だ」と語った。

 Cornyn氏とともに同法案を提出したのは、下院司法委員会の委員を務めるLamar Smith下院議員(テキサス州選出、共和党)とテキサス州司法長官のGreg Abbott氏だ。Abbott氏は、「(そのような法律があれば)警察は犯罪者に先んじることが可能」と指摘した。

 これまでに、上院にS.436、下院にH.R.1076という2つの法案が提出された。これらのコンパニオンビル(同僚法案)には、「Internet Stopping Adults Facilitating the Exploitation of Today's Youth Act」(Internet Safety Act)というタイトルが付されている。

 両法案には、以下の同じ文言が含まれている。「電気通信サービスまたは遠隔コンピューティングサービスのプロバイダーは、すべての記録、またはサービスを利用させる上で仮のネットワークアドレスを割り当てたユーザーの身元に関するその他の情報を最低2年間保持しなければならない」

 つまり、このInternet Safety Actは、AT&T、Comcast、Verizonなどの大手通信企業だけでなく、仮のIPアドレスを動的に割り当てる標準的な手法(DHCPと呼ばれる)を使用するWi-Fiアクセスポイントまたは有線ルータを備える数千万件の一般家庭にも適用されることを意味している。(CNET Japan)

http://www.yomiuri.co.jp/net/cnet/20090223nt0c.htm