江戸時代に広島市中区江波地区で作られたものの、いまだに実態が分かっていない幻の磁器「江波焼」をテーマにした講演会が21日、同区の舟入公民館であった。市民ら約120人が参加し、解明への手掛かりや時代背景などを学んだ。
奥田元宋・小由女美術館(三次市)の村上勇館長が、文献に基づいて江波焼のルーツや研究史を紹介。行政による発掘調査の実施を前提に「江波焼の実像を再構築し、後世に伝える必要がある」と訴えた。
広島市文化財団の福原茂樹指導主事は、窯跡とみられる江波皿山付近で出土した茶わんや皿の破片の特徴などを説明。参加者はこれらを観察したり、実際に現地を見学したりして理解を深めていた。
【写真説明】江波焼の窯跡とみられる地点の出土品を観察する参加者たち