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2009年02月22日(日) 16時29分

暴れザルに離島住民悲鳴中国新聞

 山口県周防大島町の離島、情島で島外から持ち込まれたとみられる1匹のサルが農作物を荒らし、住民が悲鳴を上げている。島には、もともと野生のサルはいなかった。住民の苦情を受け、町は2006年から、駆除をしているが成果は上がっていない。

 「タマネギが40本以上掘り返され食べられた」。サルが捨てたタマネギの根を手に農業川口百合江さん(70)は嘆く。漁網で畑を覆うが破られるという。

 サツマイモのつるが抜かれた▽アスパラガスが全部食べられた▽スイカ約30玉が収穫の前夜に全滅—など被害は後を絶たない。

 町によると、住民から最初の駆除依頼は05年12月。06年に捕獲用おり3基を仕掛けたが、効果はなかった。そのため07、08年に計4回、猟友会とともに銃器による駆除を実施。07年4月にはサルに弾が当たったが山中へ逃げられた。体長は約60センチから1メートル以上と目撃者で違う。当初は2匹いたという情報もあった。

 町営渡船の発着場、伊保田港から約5キロ沖合にある情島。人口は1月末現在117人。住民の多くは漁業を営み、家庭菜園で野菜を栽培している。

 「屋根の上から威嚇された」「子猫が背中をかじられた」。おびえる住民も出始めた。漁業中道清美さん(74)は自宅2階の窓を開けられて侵入され、パンを食べられた。「誰が、どんな理由でサルを捨てたか知らんが、人の迷惑を考えない卑劣な行為」と憤る。

 町は「早急な解決を目指してはいるが、捕獲と銃器での駆除を続ける以外、方法はない」とお手上げの状態だ。

【写真説明】漁網で覆った畑で、サルが捨てたタマネギの根を手に立ち尽くす川口さん

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200902220056.html