東京都八王子市と神奈川県相模原市相模湖町の都県境でヘアピンカーブが続く国道20号の大垂水(おおたるみ)峠で昨年5月以降、“走り屋狩り”と称するバイク数台の少年グループが未明に出没して、走行中の自動車を無理やり停車させ、運転手らが暴行を受けて現金を奪われる強盗事件や傷害事件が約10件(被害総額約20万円)連続発生した。
県警少年捜査課は、走り屋狩りに加わった同市の少年11人を特定して強盗や恐喝容疑などで摘発、一連の事件の全容解明を進めている。
県警幹部によると、摘発された少年らはいずれも、同市の相模湖町や藤野町の解体工や無職少年で、地元の小中高校などの同級生。同課は津久井署とともに、昨年12月3日から2月20日まで集中的に摘発を行い、18〜19歳の7人を強盗、傷害や暴力行為容疑で逮捕し、19歳の4人を恐喝や詐欺容疑などで、横浜地検相模原支部に書類送検した。
少年らの容疑は昨年6月1日、2人乗りしたバイク4〜5台で相模湖町の男性会社員(25)の車を無理やり停車させ、「お前ら財布見せろ」などと脅して顔を殴り、現金6万円を奪い、同27日にも同様に同市内の男子大学生(21)を袋だたきにして約4万円を強奪、同11月に東京都府中市の男子大学生(23)を集団で暴行した——などの疑い。
調べに対し、少年らは「走り屋を狙った“走り屋狩り”は、昨年5月から10回くらいやった」「奪った金はパチンコやたばこに使った。スリルがあって遊び感覚だった」などと供述しており、県警で余罪を調べている。
同署幹部によると、大垂水峠はヘアピンカーブが連続し、“走り屋”と呼ばれるドライブ・車好きの若者に人気のコースといい、週末の夜間などには、多くの車が都内や県内から集まって来ることで知られている。
摘発された少年らは、ナンバーを曲げるなど改造したバイクに乗っており、週末を中心に午前0〜4時頃、峠付近に出没していたという。クラクションを鳴らしながら、数台で狙った車の前に飛び出してハザードランプを点灯。減速しながら車の走行を妨害し、車の後ろからもバイク数台が追尾して挟み込み、無理やり停車させる手口だったという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090222-OYT1T00061.htm