広島市で行われている日教組教研集会で、全国学力テストなどを取り上げた特別分科会が22日開かれ、大阪府吹田市教育委員を務める内田慶市関西大教授が講演、市町村レベルの結果公表は「市町村教委の判断に委ねるべきだ」と述べ、結果公表を促す橋下徹大阪府知事らの動きを批判した。
会場の教員からも「東京都も独自にテストをしており学テと重複している」「競争をあおるだけだ」と批判や中止を求める意見が目立った。
内田教授は、小6と中3の全員を対象に算数、国語、数学のテストをする学テについて「子どもの学力全体をはかることはできない。学力とは何か、ということから議論すべきだ」と提起。吹田市教委と市町村別の成績公開を求める橋下知事が対立したことには「知事は地方分権に反している」とし、教委の権限強化も訴えた。
また「教育委員はもの言わぬ名誉職に成り下がり、本来の機能を果たしていない」と述べた。文部科学相による教委への是正勧告権についても「教育への政治介入は制度の中立性、独自性を脅かす」と話していた。