国土交通省は22日までに、鉄道を標的にしたテロ対策として、爆発物の持ち込みを駅の改札で自動的に探知して警告するシステムの検討、開発に2009年度から乗り出すことを決めた。
改札は大勢の乗客が行き来するため、空港のような手荷物検査は困難。そのため改札を通過する人に瞬時に空気を吹き付け、衣服やかばんから舞い上がった火薬類などを吸入して即座に分析、警報を出す仕組みだ。
鉄道のテロ対策は現在、監視カメラ設置や、ホームの非常用インターホンで乗客に不審者を通報してもらうなど人の目に頼る方法が中心。検知装置は確実にテロを食い止める狙いだが、微量の火薬を短時間に検出できるかどうかなど実用化の課題は多いという。
国交省は、地下鉄3カ所が爆破された05年のロンドン同時テロ、06年と07年にインドで発生した列車爆破テロを受け、07年度からテロ対策を検討していた。