【ズンクアット(ベトナム中部)22日共同】産油国でありながら、石油精製を全面的に国外に依存してきたベトナムで初めてとなる製油所が22日、中部クアンガイ省ズンクアットで正式に稼働した。本格的に稼働すれば、ガソリンの国内需要の3割を賄える計画で、工業化を進めるベトナムの経済発展の追い風になりそうだ。
ベトナム中部は、首都ハノイのある北部や最大都市ホーチミンを抱える南部に比べ、開発が遅れてきたが、ベトナムで今後、石油関連産業の集積地となる可能性がある。
ベトナムは硫黄分が少ない高価格の原油を産出するが、自前の製油所を持たないため、原油を輸出し、石油製品を輸入する状況が続いてきた。
グエン・タン・ズン首相がこの日、式典に出席し、ディーゼル燃料などを初出荷。原油は南部沖の最大のバクホー油田から供給を受ける。
製油所は1994年に建設が決定し、総工費25億ドル(約2300億円)。国営石油企業ペトロベトナムが運営し、年間の処理能力は650万トンとなる。今年8月の全面稼働を目指す。製品のうち、プラスチックに使われるポリプロピレンは丸紅に販売する予定。