3月いっぱいで引退する、日本最古級の車両「デハニ50形」の特別運行の日程が決まり、運行する一畑電車(本社・島根県松江市)が乗車希望者を募っている。
貸し切り運行や記念乗車券の販売も企画され、「ラストラン」に向け、鉄道ファンだけでなく市民の関心も集めそうだ。
デハニ50形は、1928、29年に製造された木製の車両で、荷物室が設けられるなど珍しい造りになっている。2両ある車両は94、99年にそれぞれお座敷列車に改造され運行されてきたが、老朽化が目立ち、3月末での引退が決まった。
ところが、宍道湖畔ののどかな風景に溶け込んで走るレトロな姿が人気を呼び、予約が多数寄せられるようになり、出雲市出身の映画監督、錦織良成さん(47)は「映画の中にデハニ50形の雄姿をとどめたい」と、車両を使った映画「BATADEN」を制作している。
特別運行は3月21、22、28、29日に実施。各日とも、午前10時55分電鉄出雲市発松江しんじ湖温泉行きと、午後1時50分松江しんじ湖温泉発の出雲大社前行きを2両編成で走らせる。定員は各70人で、29日午後のみ40人。
希望者は、同社運輸営業部に電話(0853・62・3383)で問い合わせの上、往復はがき(3月10日必着)で応募する。料金1500円は当日支払う。
また、3月1〜27日の夜間には、予約制で松江しんじ湖温泉駅と電鉄出雲市駅間の貸し切り運行もする。写真撮影のためや夫婦だけでも予約可能。料金は片道で1両2万4120円、2両編成4万8240円。利用4日前までに同営業部に電話で申し込む。
限定500枚の特製1日フリー乗車券(2500円)も6日から販売。松江しんじ湖温泉、雲州平田、電鉄出雲市、出雲大社前の4駅で扱う。
同社は「残りの期間に多くの人たちに利用してもらいたい」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090222-OYT1T00458.htm