鹿児島労働局は21日、ラジウムを混ぜて作ったとされるタイルから規制値を超える放射線量を検出したとして、製造元の鹿児島県阿久根市の農業法人「ぼくしん舎」(牧尾英二社長)に、労働安全衛生法に基づき、作業を停止して従業員に健康診断を受けさせるよう命じた。
今のところ環境への影響や健康被害の報告はないという。
発表によると、法人が運営し、岩盤浴用のタイルを製造している阿久根市の作業場では、タイルの原料を入れた袋から最大毎時29・6マイクロ・シーベルト、同県霧島市で法人が建設している温浴施設では、岩盤浴用のタイルから最大毎時6・25マイクロ・シーベルトの放射線量を検出した。厚生労働省は放射線量の規制値を「3か月間の合計の値が1300マイクロ・シーベルト」と定めているが、最大でこの10倍と推測されるという。文部科学省は「人体に影響を及ぼす量ではない」としている。
同労働局などが寄せられた情報に基づき、19、20日、両施設を立ち入り検査して分かった。同労働局の調査に、法人側は「ラジウムによる効能を高めるため、大阪の業者から購入したラジウムをタイルを作る際に混ぜていた」と話しているという。
牧尾社長は読売新聞の取材に「(放射性物質への)知識不足で安全への認識が甘かった」と話している。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090222-OYT1T00126.htm