千葉県外房沖でノースウエスト航空機が乱気流に遭遇し43人が負傷した事故で、同機の米国人機長は着陸後、乱気流による機体の揺れの大きさを、6段階の上から3番目にあたる「中程度」と同航空に報告していたことがわかった。
けがの重かった乗客は、コックピットから最も離れた機内最後部に集中しており、機体前部より後部の方が揺れが大きかったとみられる。運輸安全委員会では、機長が体感した揺れと機体後部の揺れにギャップがあったため、機長が管制官に緊急着陸などを要請しなかった可能性もあるとみている。
航空各社は、国際民間航空機関(ICAO)の規定に基づき、乱気流に遭遇した乗員には体感した強度を報告させている。会社ごとに「軽い」「中程度」「激しい」などの段階を設定している。
ノースウエスト航空では、最も軽い1から最も大きい6まで6段階の大きさを設定しており、機長はこのうちの「4」と報告。4は「中程度」に当たる。
事故機の機長が、乗客が天井に頭をぶつけるほどの大きな揺れを「中程度」と報告していたことについて、国交省関係者は、「乱気流に遭遇した機体はコックピットを支点にして機体の後部が振り子のように揺れることが多く、機体後部ほど大きく揺れる」と説明する。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090222-OYT1T00006.htm