NTT西日本の子会社で北陸3県で通信機器の販売などをする「NTT西日本—北陸」(金沢市)が、退職者を含む正社員約900人に対し、2006年10月〜08年8月の残業代約2億1700万円を支払っていなかったことがわかった。
富山労働基準監督署から是正勧告を受けて実施した社内調査で判明したもので、同社は20日、未払い賃金全額を社員らに支給した。派遣社員やパート従業員についても調査を進めており、未払い額はさらに増える見込みだ。
同社によると、富山労基署が昨年7月、支店にあたる「富山事業部」(富山市)で、就業時間外のパソコンなどの稼働状況を調べた。その結果、実際の残業時間が、勤務表に記載されていた残業時間を上回る「サービス残業」が行われていたことがわかったという。同労基署は、同8月に是正勧告を行った。
これを受け、同社は石川、福井両県でも調査。未払い賃金は、06年10月から08年8月までの23か月間で、富山では240人に対して約5700万円、金沢市の本社では450人に約1億2000万円、福井事業部(福井市)でも210人に約4000万円あった。1人当たりでは、数千円から最高約180万円に上ったという。同社は「法令違反は事実で、重大に受け止めている。意図的ではない」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090221-OYT1T01153.htm