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2009年02月22日(日) 03時11分

PTA共済、根拠法整備へ…自治体などの監督下に読売新聞

 保護者の掛け金で子供の事故に備えるPTA共済団体の存続を巡る問題で、自民党は新たな根拠法の検討に着手する。

 行政の監督を受けない無認可共済を禁じた改正保険業法の施行(2006年4月)に伴い、多くのPTA共済が廃業、縮小を余儀なくされる事態となっているが、活動の維持を求める声が強いことに応えるものだ。公明党のほか、野党にも共同提案を呼び掛け、今国会で議員立法による成立を図る方針だ。

 具体的には、無認可のPTA共済を都道府県などの自治体や教育委員会の監督下に置くための立法措置を取る案が有力だ。

 PTA共済は年額100円〜数千円の掛け金で運営され、文部科学省によると、主として都道府県ごとに少なくとも60団体ある。加入者は約700万人、積立金の総額は100億円超とされる。公益法人の形態をとらない無認可運営の団体が多く、改正保険業法で掛け金を集めることが禁じられた。

 保険会社に委託するか、保険業者として登録すれば存続可能だが、PTA側は「掛け金が高騰し、審査に時間がかかる」などと消極的で、少なくとも20団体が廃業に向けて積立金の取り崩しを続けている。公益法人のPTA共済の場合も、13年には行政改革の一環として行政の監督が外れるため、無認可状態となる見通しだ。

 しかし、PTA共済には、授業や学校行事中の事故で独立行政法人「日本スポーツ振興センター」の災害共済給付制度に基づく見舞金に上乗せ支給したり、学校外や保護者の事故にも柔軟に適用するなどの実績から、存続を求める声が強い。

 政府は保険会社委託か、保険業者登録による対応が望ましいとする立場のため、自民党は議員立法での救済に乗り出すことにした。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090221-OYT1T01164.htm