広島市南区の市立広島工業高自動車部が今月、1970年代に活躍した日本製F1マシン「マキF101」の修復を始めた。7月から市交通科学館(安佐南区)である「カーレース 日本からの挑戦」(同館、中国新聞社主催)で公開する。
マシンは1974年、東京にあった「マキエンジニアリング」が4台を製作した。F1グランプリには74年に2回、75年に5回出場。いずれも予選落ちだったが、国内ではホンダに次ぐ、2番目の挑戦。白い車体に日の丸を描いたデザインが特徴的だ。
国内に現存するのは1台の車体だけ。長野県内の自動車部品店に飾られていたが、2005年、自動車修復工場(西区)の技術顧問栃林昭二さん(57)が購入。このほど「当時の最先端技術を若者に学んでほしい」との思いから修復を打診した。
車体は長さ4.14メートル、幅2.4メートル、高さ1.28メートル。生徒15人が校内の実習場で破損や傷治しと塗装を進めている。エンジンは栃林さんが勤める工場で再現し、6月までに完成させる。企画展は7月17日—8月31日。60年代から現代までレーシングカー約10台が集結する。
【写真説明】修復のポイントについて栃林さん(中央)から説明を受ける生徒