全国大会に多くの剣士が出場するなど、伝統的に剣道が盛んな三次市吉舎町で、町の剣道史をまとめる作業が本格化している。地元の指導者らが今年中に、各年代のエピソードや写真でつづる冊子を発行予定。写真や資料の提供を呼び掛けている。
吉舎剣道の中核は、1894年の建学時から質実剛健、文武両道などの精神を受け継ぐ日彰館高。戦後の武道禁止策を経て学校剣道が認可された1953年から20年間、広島県内の高校新人大会を開催。その後の館祖祭大会は、中国地方から小学—高校生1000人以上が集う大会に成長した。
日彰館高は全国高校総体団体に男子3回、女子5回出場。高校卒業で縁が切れるのではなく、年越しけいこなどには帰省した出身者も加わる。ただ剣道を始める子どもが減ったのが悩み。全国高校総体に初出場した一員でもある編集長の多留正弘さん(68)は「子どもたちが剣道をしてよかった、やってみようと思える冊子にしたい」と意気込む。
冊子は約80ページで、約500部を発行する予定。編集委員会=電話0824(43)4012=多留さん。
【写真説明】吉舎町の剣道史の編集作業を進める多留さん(手前左)たち編集委員