【北京21日共同=塩沢英一】クリントン米国務長官は二十一日午前、アジア歴訪で最後の訪問地、北京の釣魚台迎賓館で中国の
米中外相会談は一月のオバマ政権発足後、初めて。名目国内総生産(GDP)が米、日本に続く世界第三位となった中国は、ブッシュ前政権時代に築いた「建設的協力関係」を基本的に継承しつつ、新時代の米中関係を模索するスタートとなる。
中国の華僑向け通信社、中国新聞社によると、楊外相は会談で「中国政府は米国との関係をとても重視している」と強調した上で「世界は重要で緊急の問題に直面しており、相互信頼と協力を強化し、両国関係を新しいレベルに高める必要に迫られている」と述べた。
クリントン長官も「米中関係は強固な基礎を築いており、引き続き両国間の協力を拡大していくことを希望する」と応じた。
クリントン長官は米中関係を「今世紀で最も重要な二国間関係」と位置付けており、気候変動などグローバルな問題から北朝鮮核問題、アフガニスタン支援など地域問題まで広範な議題で協議。二国間問題では、チベット自治区などでの人権抑圧や中国の信教の自由の問題なども取り上げるとみられる。
両国間には閣僚級の戦略経済対話や次官級の高官協議などさまざまな既存の枠組みがあり、これらをどう発展させていくかも焦点。巨額の対米貿易黒字を維持してきた中国側はオバマ政権が保護貿易主義に傾くことを強く警戒しており、過度の国内産業保護に反対の立場を表明する見通しだ。
クリントン長官と楊外相は会談後、共同記者会見。長官は二十二日にキリスト教会などを訪問後、帰途に就く。
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