シャープが中国の大手電機メーカーと提携し、液晶テレビ用パネルを現地生産する方向で調整していることが21日、分かった。三重県亀山市にある亀山第一工場の設備を相手方に売却し、生産を委託する案も浮上している。
テレビ用の液晶パネルは国内で生産し、海外に輸出してきたが、不況に加えて為替相場の円高で業績が悪化しているため、初の海外生産に踏み切る。電機メーカーの収益は軒並み悪化しており、世界的な生産体制の見直しが加速しそうだ。
交渉相手は「上海広電集団」で、今春までに基本合意を目指す。中国への生産移管で、価格競争力を高める考えだ。
亀山第一工場は「第6世代」と呼ばれる旧世代のパネル工場で、現在は生産を休止する一方、「第8世代」の第二工場が稼働している。
第一工場は、中小型パネルの生産ラインに改造中だが、交渉がまとまれば改造を中止し、設備を中国に移す。ただ、中国側は投資負担が軽い合弁会社での生産を希望しているもようで、今後の交渉で詰める。他の現地企業が交渉相手に浮上する可能性もあるという。
シャープは現在、亀山工場で生産したパネルをメキシコやポーランド、中国など世界各地のテレビ工場に供給している。
今後、ほかの地域でも、価格競争力を高めるとともに為替変動のリスクも避けるため、旧世代のパネルは海外の有力企業と組んで現地生産していく方針だ。
(2009年2月21日13時06分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090221-OHT1T00158.htm