大韓航空機爆破事件実行犯の金賢姫元北朝鮮工作員と、拉致被害者田口八重子さんの家族との面会が2月末にも韓国内で実現する見通しになったことが21日、関係者の話で分かった。
田口さんは1978年に拉致された後、金元工作員の日本語教育係を務めたとされる。金元工作員は今年1月、日本のマスコミとのインタビューで田口さんの家族と「会ってみたい」と希望。家族も同様の意向を持っていることから日韓両政府が調整を進めていた。
田口さんの兄で拉致被害者家族会代表の飯塚繁雄さん(70)は「妹に関する情報をいろいろと聞き出したい」、田口さんの長男で繁雄さんに育てられた耕一郎さん(32)は「実母の面影を知りたい」と話している。
爆破事件は87年の11月29日発生。バグダッド発ソウル行きの大韓航空機がミャンマー南方の洋上で爆発、115人が死亡。韓国当局は金元工作員らによるテロと断定した。
金元工作員はソウル五輪妨害を目的に北朝鮮ナンバー2だった金正日書記(当時)の指示で実行したと自供。死刑判決を受けたが90年に特別赦免され、自叙伝「いま、女として」は日韓両国でベストセラーになった。