【ベオグラード21日共同】辞任した中川昭一前財務相が、失態を演じた十四日の先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)での記者会見後に見学したバチカン博物館で、美術品の周囲に設けられた柵を乗り越えたり、触ることが禁止された美術品を素手で触ったりしていたことが二十日、ローマ法王庁(バチカン)関係者の話で分かった。
中川氏は会見後の十四日午後、財務省幹部やバチカン博物館の職員らと約一時間半、館内を見学。その際、大蛇に襲われるギリシャ神話の登場人物をかたどった有名なラオコオン像の前で柵を越え、警報が作動した。さらに、触れてはいけない美術品にも一、二回触ったという。
しかし、いずれの場合も博物館職員は問題行為ととらえず、制止しなかった。また、バチカン側も今後、中川氏に抗議などをする考えはないという。