ノースウエスト航空ジャンボ機が千葉県銚子沖の上空で乱気流に巻き込まれ、乗客乗員43人がけがをした事故で、機長が同社の成田空港事務所に「乱気流に遭い、2人のけが人が出た」と通報、着陸間際までノース社の社員が車いすを用意して待機しただけだったことが21日、分かった。
ノース社の説明では、同空港事務所は重軽傷者が1人ずつ出たと理解し、重傷の乗客のみ搬送が必要と判断。千葉県成田市消防本部に「けが人は1人」と119番したという。
機長が詳しく機内の状況を把握しないまま社内連絡のみにとどめ、成田空港の管制官に連絡しなかったことが搬送の遅れにつながった可能性が高く、航空会社の対応が問われそうだ。
国土交通省運輸安全委員会の調査官3人は21日、機長ら乗員14人全員と負傷した乗客から事故当時の機内の様子などを聴取。既にノース社には、フライトレコーダーとボイスレコーダーの提出を要請している。
同委員会によると、機内を点検し、天井に体がぶつかったと思われる数カ所の跡や、ひじ掛けが変形しているシートが見つかったという。