兵庫県宝塚市の墓苑開発事業をめぐる汚職事件で、贈賄容疑で逮捕された元宝塚市議井ノ上均容疑者(64)が施工業者を決める入札の前に、市の担当者らを繰り返し呼び出し、特定の建設会社に工事を受注させるよう求めていたことが21日、関係者の話で分かった。
別の会社が受注することが決まった後も、市議会での質問で契約の撤回を求めていた。
建設会社は、同じく贈賄容疑で逮捕された西岡栄太郎容疑者(69)が社長を務めるコンサルタント会社の顧客だった。
県警は、収賄容疑で逮捕した宝塚市長阪上善秀容疑者(61)に井ノ上容疑者らが100万円を渡したのは、業者選定で便宜を図ってもらう狙いだったとみて調べている。
関係者によると、井ノ上容疑者は現職市議だった2006年9月ごろ、議員控室に担当者らを呼び出し「(建設会社が受注できるよう)何とか頼む」などと繰り返し求めた。こうした要望は阪上容疑者にも伝えられていたという。
工事は06年10月に別の会社の受注が決定。井ノ上容疑者は同年12月の市議会で「出直しをお願いしたい」などとして、この会社との契約撤回を求めた。