進学や就職など高校生の進路指導について「非常に難しい」「やや難しい」と感じている学校が91%に上ることが21日、リクルートの調査で分かった。家庭や雇用環境の悪化など不況の余波を指摘する回答も目立ち、同社は「社会情勢の変化が指導にも影響している」と分析している。
調査は昨年10月、高校の進路指導主事の教員を対象に実施。全国の国公私立910校が回答した。難しさの要因(複数回答)で最も多かったのは、生徒の「進路選択・決定能力の不足」で65%。次いで教員の「時間不足」が62%、「入試の多様化」が61%だった。
2006年調査で57%あった「学力低下」は45%に下がったが、「家庭・家族環境の悪化」が44%から50%に、「産業・労働・雇用環境の変化」が33%から46%にそれぞれ増えていた。
大学への要望(複数回答)では、論文や面接などを重視する「アドミッション・オフィス(AO入試)・推薦入試の実施時期のルール化」が56%でトップ。一部で「青田買い」とも言われる早期実施に批判が集まった。
「分かりやすい学部・学科名称」は35%で、名前だけでは何を学ぶのか分かりにくい学部、学科が増えていることへの戸惑いをうかがわせた。
大学入学に際しての学力担保策として、中教審が検討を提言した高校生の学力を測る「高大接続テスト(仮称)の実施」は18%にとどまった。