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2009年02月21日(土) 19時34分

かんぽの宿、人気施設も7割赤字 高コスト構造が背景東京新聞

 日本郵政が一括売却しようとした宿泊保養施設「かんぽの宿」70施設のうち、宿泊業で一般的に採算ラインといわれる客室稼働率70%超の人気施設でも、2007年度は7割が赤字だったことが21日、明らかになった。

 割高な人件費など国営時代から続く高コスト構造で、利益を生み出せなくなっている。業績向上に向けた施設の刷新などの事業展開は、関連法による制約などから困難で、高値売却が容易ではないことがあらためて浮き彫りになった。

 稼働率は日本郵政が民主党に提出した資料で判明した。

 客室稼働率が70%超となったのは全国の70施設中、41施設。うち黒字は11施設、収支トントンが1施設にとどまり、赤字は29施設だった。さらに、41施設のうち9施設では稼働率80%超を記録。しかし、栃木喜連川温泉(栃木県さくら市)、勝浦(千葉県勝浦市)、奈良(奈良市)、山鹿(熊本県山鹿市)の4施設は赤字だった。

 日本郵政によると、集客力のある宿でも赤字となる原因は、旧日本郵政公社時代から引き継がれた人件費や調理、清掃など外部業者への業務委託費用が地元の民間旅館よりも高いためだ。

 また、施設内に大きな吹き抜けなどを設けて容積に比べて客室数が少ない構造が多い上、サービスの割に宿泊料を安く設定していることが売上高を頭打ちにしている。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009022101000537.html