【ジュネーブ20日共同】世界貿易機関(WTO)が18、20の両日開いた対日貿易政策審査会合で、世界不況を背景に急速に国内経済が悪化している日本に対する懸念や、復活への期待を表明する声が各国から集まった。
出席者らによると、各国は「七転び八起き」「朝の来ない夜はない」など日本語の格言を引用。ある先進国の大使は最後に「頑張ってクダサーイ」と発言を締めくくり、日本に構造改革の推進や、経済復活への取り組みを強めるよう激励したという。
日本代表団を率いた外務省の横田淳大使は、日本経済に対する各国の懸念がそれほど強いのかという記者の質問に「経済が悪いのはどこも同じ。むしろ(日米摩擦などで政策への批判が集中した)10年前に比べれば様変わりだ」などと、通商分野での対日イメージの改善ぶりを歓迎した。
会合では全体として日本の政策を評価する発言が多かったものの、最近の改革努力について「相当失速している」(米国)などの指摘もあり、公共事業の外国企業への開放や、農業自由化の遅れが批判された。