【チェンマイ(タイ北部)21日共同】ミャンマーで2007年9月、反政府デモを取材中に治安部隊に射殺された映像ジャーナリスト長井健司さん=当時(50)=の精神を受け継ぐため創設された「長井健司記念賞」の第1回授賞式が21日、タイ北部チェンマイで行われた。
受賞者は、昨年の大型サイクロン被害を取材したミャンマー人女性記者、エイン・カイン・ウーさん(24)。同年6月、最大都市ヤンゴンでサイクロン被災者を取材中に拘束され、公共の秩序を乱したとして禁固2年の実刑判決を受け服役中で、授賞式には知人が出席。報道の自由が制限される中、軍事政権による弾圧の危険を冒して被災者の窮状を伝えようとした姿勢が評価された。
同賞は昨年10月、軍政の圧政下で真実の報道に貢献したジャーナリストを支援しようと、国外で活動するミャンマー人記者の団体「ビルマメディア協会」(BMA、本部オスロ)が創設。長井さんが所属していたAPF通信社(東京)や両親の協力を得て作成した長井さんの顔写真入りの盾と賞金が贈られる。