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2009年02月21日(土) 00時10分

ネタニヤフ氏に組閣指示 イスラエル大統領東京新聞

 【エルサレム20日共同】イスラエルのペレス大統領は20日、総選挙で右派勢力が優勢だった結果を踏まえ、野党で右派リクード党首のネタニヤフ元首相に組閣を指示した。ネタニヤフ氏は事実上の首相候補となり、各党との連立交渉を本格化させる。組閣の期限は6週間で、失敗すれば別の首相候補が指名される。

 強硬派のネタニヤフ氏は既に国会過半数の右派勢力の支持を固めており、約10年ぶりに首相に返り咲く可能性が高まった。中東和平交渉の停滞も懸念される。

 しかし、右派だけのタカ派政権は中東和平仲介に積極姿勢を見せるオバマ米政権との衝突が予想され、政権安定には中道勢力の取り込みが必要。ネタニヤフ氏は同日、大統領府での記者会見で、中道カディマと中道左派の労働党に連立入りを呼び掛けた。

 ただ、カディマ党首のリブニ外相は、第1党の党首である自分が首相になるべきだと主張し、リクードと連立する場合はネタニヤフ氏と首相を2年ずつ務めるなど同等の地位を求めている。ネタニヤフ氏はこれまで拒否しており、困難な交渉を迫られる。

 総選挙では、定数120のうち現与党カディマが28議席、リクードが27議席を獲得したが、全体では右派勢力が65議席を占めた。

 リブニ氏は20日「和平プロセス進展という信念に基づき国を率いたい。針路なき政権を擁護する役は務められない」と述べ、下野も辞さない姿勢を示した。

 右派だけの政権の場合、リクードのほか極右、ユダヤ教超正統派で構成。占領地での入植活動停止や和平プロセス進展を容認できず、ネタニヤフ氏が首相になって譲歩姿勢を見せれば、内部崩壊で短命に終わる可能性が大きい。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009022001000835.html