政府は二十日、官僚の天下りと官僚OBが再就職を繰り返す「渡り」の省庁あっせんを、二〇〇九年末で廃止する政令案を発表した。三月三十一日の閣議決定を予定している。
麻生太郎首相は天下りや「渡り」のあっせんに対する強い批判を受け、二月三日の衆院予算委員会で「各省庁による天下りあっせんを今年いっぱいで廃止する」と明言していた。
〇七年六月に成立した改正国家公務員法では、「再就職等監視委員会」の承認があれば、最長で一一年末までの期間は各省による再就職あっせんを容認。完全にあっせんを廃止する時期については別に政令で定めることになっていた。
一方、民主党などの反対で同監視委が発足していないことから、政府は昨年末の「職員の退職管理に関する政令」で監視委に代わり首相が「渡り」の各省あっせんを承認することにしたが、この仕組みはことし十二月三十一日まで残る。麻生太郎首相はすでに申請があっても「渡り」のあっせんは認めないとしているが、与党の一部や野党からは退職管理の政令からこの規定の削除を求める声が上がりそうだ。
政府は、政令案について三月二十三日まで国民から意見を募集する。政令案や意見提出方法はインターネットの「電子政府の総合窓口」に掲示する。